SG 第38回 グランプリ 展望

SG 第38回 グランプリ 展望

12月19日(火)よりボートレース住之江にてSG 第38回 グランプリがいよいよ開幕する。

2023年最後のSGにて優勝賞金1億円を巡るラストバトル。2年前の住之江の転覆事故による衝撃失格から再びこの舞台へと戻ってきた峰 竜太を筆頭にSG、G1レースで今年活躍をした18名の若手からベテランによる大注目の6日間。

このページでは今大会の注目選手、ボートレース住之江の水面特徴、予想ポイント、注目機などを詳しく紹介

有馬記念の展望はこちら

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「注目馬」、「レースポイント」などを紹介

 

大会概要

開催日 開催場所
12/19~12/24 ボートレース住之江

 

注目選手①(選出9位)

名前 支部 勝率
羽野 直也 福岡 8.17

※勝率は前期の数字を参照

いつかSGを獲る選手・・・と20代の前半から選手、ファン、関係者から言われ続けた羽野だったがそれが現実となった2023年。

今期は3月の芦屋のG1の優勝戦にて1号艇でまさかのフライング失格となり半年間のG1レースへの斡旋が停止(現在の1年間の斡旋停止が適用される直前の出来事)してしまった。しかし4月のSGボートレースクラシックにて優勝戦へ進出するとその後は一般戦で次々と優勝。

そして迎えた今年7月のSGオーシャンカップにて内の艇の選手が強引に仕掛けたところを冷静に内から捲り差し待望のSG優勝を果たした。今年はG1レースの斡旋が少なかったことで「SGにだけ集中し一般戦とのスイッチのON、OFFの切り替えがしやすかった」とある番組のインタビューにて回答をしていたが20代にしてその域に達しているのであれば同世代に敵など存在しないのも当然である(その切り替えのOFF時でも4月以降の一般戦で5V、8優出)

ルックス、実績、知名度・・・全ての観点から見て峰 竜太の次のボートレース界を背負って立つ選手であることは誰もが確信している選手なだけに後は現在の顔である峰 竜太よりも上に立つことがラストピースとなる

トライアル1stからまずは王者達が待つ舞台へとしっかりと駒を進めて最終日の6人への選出を目指す。

注目選手②(選出3位)

名前 支部 勝率
茅原 悠紀 岡山 8.17

※勝率は前期の数字を参照

今年はグレードレースの優勝に限ればG1中国地区選手権のみ。しかしこれだけ存在感を1年で示した年は初めてでないか?と思うほど活躍には光るものがある(この記事公開後に直前の芦屋のG1を優勝)

それもそのはずでクラシック、グランドチャンピオン、オーシャンカップ、ダービー、チャレンジカップの5つのSG、G1でも上述の中国地区選手権を合わせて6つのレースで優勝戦に進出をしている。

特にその中でも強烈に存在感を示したのが3月に平和島で行われたクラシックと6月に地元の児島で行われたグランドチャンピオンの2つのSG。

クラシックでは他の場に比べると活躍の可能性が高い平和島とはいえ大外6コースから狭いスペースをこじ開けてSG初制覇を目指してインから逃げようとする土屋 智則に篠崎 元志と共に迫り3着。

そしてグランドチャンピオンでは2号艇から一か八かの優勝を狙い圧倒的支持を得ていた1号艇の馬場 貴也に対してのじか捲りを敢行。結果として抵抗した馬場と共に膨れてしまい羽野 直也のSG優勝と大波乱を呼ぶ決着となってしまったが地元でなんとしても活躍をしたいという強い思いを茅原から確かに感じる一戦であったのは観ていた多くのファンの記憶にも残るレースであった

茅原の最大の魅力はとにかくどのコースであっても何をしてくるかわからないワクワク感に詰まっている。1コースで平気で負けたと思えば6コースから理屈では説明できないターンで1着を奪ってみせる・・・現役のレーサーで一番華のあるレースするのは茅原と思うのは恐らく私だけではないだろう。

2014年に6コースから奪い取ったグランプリ優勝から来年で10年を迎えるが実はあれ以来茅原はSGの優勝とは無縁となっている。そろそろこの男に光が当たっても良いのではないだろうか?

最注目レーサー(選出1位)

名前 支部 勝率
峰 竜太 佐賀 8.83

※勝率は前期の数字を参照

この数年間は色々とあったが2023年賞金ランキング1位の座に再び返り咲いてグランプリに出場するのだから峰 竜太という選手はスターなんだなと改めて思い知らされる。

2021年12月、誰もが優勝を間違いないと確信し迎えたグランプリ優勝戦で転覆失格。それだけであればまだ良かったのだが後続艇を次々に巻き込んでしまい1周目1マークを抜け出したのは優勝した4号艇の瓜生 正義と5号艇の白井 英治だけだったことにより多くの舟券が不成立の返還となってしまった。

グランプリ優勝戦の売上総額42億7752万6800円の内の96%に該当する41億1426万3700円が返還となったこの出来事は「令和の41億円事件」などとファンに揶揄されレース後にはボートレース住之江の舟券払い戻し機から最寄り駅の住之江公園駅までファンが並ぶ事態にもつながった。

本人もレース後に憔悴しきって言葉も出なかったらしい一件から明けた2022年も正月の地元開催で転覆失格をして開催途中に帰郷、その後もぜんぜん調子が上がることなく苦しい戦いを強いられていた中で2022年3月にはSNS上で活躍をする予想屋との接触が問題視され4ヶ月間の出場停止処分を食らった。

これ以降の峰については多くの人がご存知のとおりでありB1級に落ちてしまったり、SGから1年半遠ざかったり、本当なのか嘘なのかよくわからない誹謗中傷が飛び交い「峰 竜太の時代はこのまま終わりを告げるのか?」と思うことも。

しかしそんな声や不安を撥ね退け2023年10月にSGボートレースダービーでSG復帰戦を見事に優勝。これと同時に通算100V、これまで苦手意識のあったボートレース蒲郡との因縁を見事に断ち切る23場制覇のトリプルメモリアルを飾る辺りはこの選手らしい話である。

再び戻ってきたボートレース住之江、そしてグランプリの舞台で大スターが2023年最後の勝負へ挑む。

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予想ポイント

ここからは当大会を予想する上で大事なポイントを紹介していく。

①インが強いが・・・?

画像:ボートレース公式サイト

ボートレース住之江は淡水を利用しているプール水面。その水についても飲み水とは違う工業用水を使用している。このため他の場に比べると水が硬いということが選手の口や関係者からよく聞かれる。

天候の影響を受けにくくスタートを決めてしまえば実力が伴っている選手であれば逃げやすい水面であり外になればなるほど不利になる。選手同士の実力が拮抗しているG1やSGになってくればこの傾向がより強くなり外の選手(特に⑤コース、6コース)は自力で勝つのはもちろん上位着に関しても展開の助けが必要となる。

ただし上述で書いた硬い水面であることが原因となりターンマークでは引き波を発生しやすかったり、2マークを全速で回した時に舟がバランスを取れずに暴れるといったことが実力者関係なく発生してしまい着順変化やギリギリの戦いがゆえの事故が起こることも多い。

穴目の例

特になし

特定の買い目で穴を狙うのはボートレース住之江開催のグランプリの場合は難しい。

ただしイン逃げに人気薄の外枠絡み、何かしらの不安を持っている(インやカド受けがフライング持ち、住之江への苦手意識など)があればレースに波乱を与えることもある。

レース毎の選手の状態を把握しその都度狙うレースや買い目を決めることがおすすめ。

②圧倒的地元優勢水面

天皇賞(春)は京都競馬場、天皇賞(秋)は東京競馬場、そしてグランプリの優勝戦と同日の昼間に行われる有馬記念は中山競馬場というように開催する場所が原則決まっている競馬と異なりSGレースが持ち回りとなっているボートレース。

しかしSGグランプリ(グランプリシリーズ)に関しては今回の38回大会を含め31回がこのボートレース住之江で開催されている。

これは通常のSGと比べても多くの人が足を運ぶため収容人数、交通面のアクセスの良さ、気象状況(強風、高波、雪など)による中止、順延の影響を受けにくい場が優先されているのもあるが「グランプリ=ボートレース住之江」という主催者側の意図が大きく反映されているのが一番の理由なのだろう(東京<埼玉>開催が過去4回しかない点からみても)

ただしボートレース住之江と言えば選手も口々に揃えて言う通り「大阪支部の選手が有利」な部分がある。一昨年の住之江開催のグランプリは優勝した瓜生 正義を含め珍しく優勝戦6名が全員が他地区の選手ではあったが歴代王者には大阪支部を彩るレジェンド達が名前を並べている。

言い方は悪いが2019年には当時28歳の木下 翔太がグランプリシリーズとはいえSGの優勝戦に1号艇で進出するのが住之江開催の恐ろしいところである(結果を知らない人は「木下翔太 グランプリシリーズ」で検索)

今回のグランプリ選出18名の中で大阪支部より選出されたのは優勝候補として名前を挙げる人も多いであろう石野 貴之である。

名前 支部 勝率
石野 貴之 大阪 7.41

※勝率は前期の数字を参照

2019年に当地開催のグランプリを制覇しており近年は衰えや時代の変化からグランプリ戦線からも名前が外れている松井 繁、湯川 浩司らに代わってSG戦線では上條 暢嵩ら後輩レーサーを引っ張る絶対的エース。

記念レースを勝つよりも大変とされる大阪支部同士のGW開催「ラピートカップ」やお盆開催の「大阪ダービー 摂河泉競走」、そしてG1レース「高松宮記念競走」、「太閤賞競走」などボートレース住之江で19度の優勝を飾ってきたがその大半が重たく非常に価値を感じるものばかりである。

今年はレース中の怪我で肩を脱臼してしまい状態が万全とは言いにくい中でもビックレースになると初日から飛びぬけた展示タイムを記録し直線で前を捕まえる走りを多く見せている石野の走りは果たして地元でどのようなドラマを生みだすのだろうか。

注目モーター

最後に予想する上で多くの人が注目するであろうモーターについて紹介。

グランプリは2連対率の上位18機が使用されるので基本的にどの選手が使用するモーターも大きな力差はない。

ただし賞金ランキング6位以内で選ばれた選手は上位18機の中の2連対率上位6機での抽選となる上に初日、2日目はレースが無いことで調整に時間をかける事が出来る。

石野が先日とある番組にて「1stトライアルと2ndトライアルどっちからレースをするのが良いか?」と聞かれ「1stからレースに出る選手は2ndにスムーズに入れるのが良いが初日、2日目を勝ち上がるのに通常のSGよりも神経を使う。2nd組は調整をしっかりと行いフレッシュな状態で入れるためどっちもどっち」と回答。

その違いについての余談を挟んだところでここからは話を戻して注目モーターを紹介していく。

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16号機

2連対率 優勝回数 使用者
52.2% 1 磯部   誠

※連対率は12/02時点の数字を参照

住之江のモーター相場を語る上ではこのモーターを無視するわけにはいかない絶対的存在。

誰かの整備で一変したというわけではなく元々の素質が高く当地において唯一の2連対率50%以上をキープしたままグランプリを迎える。

本体がしっかりしているだけにこれ以上の上積みというのは期待できないがしっかりと手の内に入れてしまえば自分自身のパフォーマンスを最大レベルで発揮することができるはず。

 

66号機

2連対率 優勝回数 使用者
43.1% 0 茅原  悠紀

※連対率は12/02時点の数字を参照

2連対率2位の53号機は峰 竜太がG1で優勝した際のモーターだがグランプリを間近に控えた開催で使用者が転覆させる大失態を犯しており舟足に影響は無いというが発言がどうもあてにならない。

16号機以外のモーターはそこまで大きな差がないゆえに使用者のプロペラのタイプ、レースのスタイルによるエンジンの出し方、事故やトラブルの細かい積み重ねは大きいレースほど結果に反映されてくる。

それを踏まえると2番目に面白いと思うのがこの66号機。8月の大阪ダービーで湯川 浩司、9月のG1で桐生 順平、その後も藤山 雅弘、西村 拓也の両大阪支部の選手が使用。エンジン、プロペラ共に使った選手達が少しずつ調子を加えて気配が右肩上がりに上昇をしており夏前と秋からでは別人のモーターとして生まれ変わることに成功した。

大阪支部のこの水面を知っている人たちによって作り上げられてきたモーターなので余計な手間を加えることなく使用者はプロペラを中心に乗りやすさを追い求めていけると予想をしている。

88号機

2連対率 優勝回数 使用者
43.1% 2 石野  貴之

※連対率は12/02時点の数字を参照

5月のラピートカップ(大阪支部によるGW開催)で石野 貴之が優勝した際のモーターで9月に行われたG1では使用者が誰になるか注目され古結 宏が何ともいえない結果を残し予選落ち。

近況は使用者に恵まれていない感じがしたがグランプリを直前に控えた開催で小坂 宗司が優勝を飾っている。

この節間で小坂は4コースから2.0.1.0とオール舟券絡みを果たし優勝戦でも直線で前を捕らえる捲り差しを決めた辺りは直線での強烈な伸びを生み出す石野が半年前の5月ではあるがモーターとプロペラを調整した効果が出ているのを感じさせる。

スリット付近の大きな乱れはあまり期待できない水面なので向こう正面に入るターンでの切り替えの早さ、直線でのノビの差が勝敗を分ける場面にも期待しての3番手モーターとして注目。

これを見事に石野が再び手にしたという点は節間を戦う上で大きいアドバンテージとなりそう。

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まとめ

今年は12月の中旬の開催から12月の下旬へと開催が戻りグランプリの優勝戦が行われるのは12月24日(日)クリスマスイブの夜となった。

凄い個人的な話になるが2年近く交際していた彼女と先日破局を迎えたことで今年のクリスマスはこのままいくと久しぶりに暇になりそうな予感。そのときは昼間は有馬記念(競馬)を楽しんで夜はグランプリ(ボートレース)を一人孤独に楽しみたいと思う。

さて2023年もあと残りわずか。全てにおいて悔いの無いよう1日1日を過ごして2024年を良い形で迎えよう。

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