【コラム】新型コロナウィルスによる公営ギャンブルへの影響とは

新型コロナウィルスが世界的に猛威を奮い、各方面で様々な処置がとられている昨今。公営ギャンブルは無観客レースが続き、ボートレースもその渦中だ。

無観客レースでまず何が懸念されるかというと、やはり売り上げの減少だろう。

本場での客入れをしないことに加え、場外売り場も閉鎖しているため、シンプルに舟券の購入手口が減ればもちろん売り上げも減少するというのが道理だ。

しかし、思ったほどの売り上げ減はみられていないという。競艇では1~2割程度といったところか。

これをみると、近年は電話かインターネットでの投票が増えているのがよくわかる。加えて、これを機に会員になる人もかなり増えたという算段だ。人は追い詰められてこそ腰を上げる。

こうなってくると、本場を閉鎖することでの収益の減少は、人件費などの経費がなくなることでの相殺も考えれば致命的な減少にはならず、むしろ電話かインターネットでの会員が増えて、今後通常開催に戻れば、以前にも増した増益が見込める。ギャンブラーは手軽に投票券が買えてしまうとついつい買ってしまうからな。

ちなみにこんな面白い現象も生まれている。

中央競馬のJRAも当然ながら毎週売り上げ減となっているが、地方競馬の高地競馬では売上レコードを更新したという。

高知競馬はもともと入場者があまり多くなく、インターネット投票を導入して以降は売上の大部分がインターネット投票によるものだという。こうなってくると、無観客だろうが売り上げは一切関係なく通常通りであってもおかしくはない。

これと同じ環境が、各公営ギャンブル、各地で増えていけば今度も公営ギャンブルは廃れることなく活性化する。

インターネット投票者が増えれば高地競馬のように来場者数も減るのでは?などというそんな心配は不問だ。最近では競艇場や競馬場で観戦しながらも、投票券は座ったままインターネット投票で購入している人も多く見るようになった。つまり、『本場へ行く=投票権を買いに行く』、ではない。『本場へ行く=生のレースを見て臨場感を味わう』という目的の違いだ。加えて競艇では、選手とファンとの交流の機会も多く設けられているため、舟券関係なく見に行きたいというボートレースファンは年々増えている。

ただ、問題は開催者でも消費者側でもない気がしている。

選手だ。

声援や熱い視線というのは、スポーツにおいてかなりの原動力となる。サッカーやバスケで、ホームやアウェイで全然勝率が違うのもまさにそういった影響も大きい。

ボートレーサーでも、見られているからこそ、応援されているからこそ、力を発揮できる選手も少なからずいるだろう。もしかするとその逆もいるかもしれない。しばらくはそういったデータをとることも、予想の一つだと言えるだろう。