レース場巡り 浦和競馬場編

始まり

2024年よりこれまでJpn2からJpn1 さきたま杯へ格上げとなったことでも注目を集める南関東競馬4場の内の1つである浦和競馬場。

昭和の昔懐かしい空気を漂わせ平日の昼間の競馬を盛り上げる個性的な競馬場ですが、今回はそんな浦和競馬場の魅力、おすすめポイント、そしてレースの予想の仕方などを徹底紹介していくのでどうぞ最後までお楽しみください。

アクセス方法

浦和競馬場へのアクセス方法は公式サイトでは以下の2つが紹介されている。

①JR 南浦和駅 バス5分(徒歩15分)

②JR浦和駅 徒歩15分

JR京浜東北線、JR武蔵野線の停車駅である南浦駅の東口を出ると不二家があるのでその先にあるバスターミナルから無料バスに乗車するのをおススメしたい。

バスの本数が非常に多く1本行ってもすぐに次のバスが到着するので「座りたいな・・・」と思った際には近くのコンビニやスーパーで飲み物、食べ物を購入して気持ちの余裕を持たせるのも良いだろう。

埼玉の大きい駅の1つである浦和駅からも一応途中までのバスは走っているが有料かつ直通ではないので競馬場の推奨通り歩いて行くのが良いだろう。

 

生まれ変わった入口

入場ゲートに100円を投入して入場するとまずは某夢の国のような雰囲気を漂わせた装飾がお出迎え。

浦和は2023年より「浦和ブルー」というのをコンセプトに場全体に青色の装飾が増え始め以前には重賞開催でもほとんど来ることが無かった日替わりのキッチンカーも平場開催、重賞開催問わず出店が見られるようになった。

この日は会場直後に浦和競馬場が誇るベテラン「ミスターピンク」こと内田利雄が能登半島地震の募金活動を兼ねたファンとの交流イベントが開催していた(このあと募金を行ったら一緒に写真を撮影してもらいました)

パドック

そして入口の横に設置されているワイドな角度で見ることが出来るパドックは以前は小汚い「The 地方競馬!」というような雰囲気を漂わせていたのだが近年の改修工事を機に綺麗に変身。

画像 南関東魂

2020年頃まではパドックの前に白い小屋が設置されコーヒーやぶどうジュースを販売するお店があったのだがこの工事を機に閉店となってしまった。

パドックの目と鼻の先で飲み物とはいえ有人の販売場があるのは浦和くらいだっただけに残念である。

さてパドックで競馬を予想する人たちに残念なお知らせなのだが私は浦和競馬に関してはパドックを見るのは無意味であると考えている。

浦和競馬場は南関東競馬場の中でもレベルは船橋、大井と比べると2段階くらい能力が落ちるのでパドックの良し悪しよりも「馬そのもの能力が足りているかどうか」が大事になってくる。特に浦和競馬場の下級レースに出走をする陣営の中には出走手当狙いでレースに参加をする気が無い馬も多いこともパドックの良し悪しを見ても仕方がないということだ。

むしろ競馬通のような顔をした人たちがあれやこれや言いながらパドックに集まるこの時間を利用して時間こそ浦和競馬に溢れるグルメを楽しむ時間にすると良い。

そして見てほしいのがパドック周回後に行われる返し馬。この時に正面奥側まで馬と折り合う様に歩かせ直線で負荷を掛けるように返し馬を行っているかどうか?その際の行きっぷりが良いかで馬の状態を判断しやすい

もちろん馬の中には気性が難しくそれが出来ないと判断してさっさと待機場へ行ったりその行動が面倒で省く騎手がいるがそれは「返し馬をまともに出来ない何らかの事情がある」という裏付けにもなってくるので本命、穴馬問わず下級条件の馬ほどチェックをしてほしいポイントとして挙げておく。

年間薄暮開催への道のり

まずこの写真を見てと貰って驚く人もいるかもしれないが浦和競馬場は住宅街の中にポツンと佇んだ全国で見ても非常に珍しい競馬場となっている。

通常は競馬場といえば騒音や馬の臭いのトラブルを避けるために都心部から少し離れた位置や海沿いや山沿いに作られることが多いのだが浦和競馬場は開場当初は辺りが田んぼの真ん中に作ったところ徐々に住宅街へと変化をしていき現在の住宅街に囲まれた競馬場が出来上がることとなった。

なお非開催日には内馬場の芝生コース(浦和記念公園)でウォーキングなどを楽しめるよう一般開放されている。

住宅街にあるがゆえの問題として光害、虫害の面から照明施設が存在せず陽が落ちるのが早い秋~冬の季節になると通常は1日12Rのところを1日11Rでの実施が続いていた。しかし2023年より市からの了承も得たことで走路照明の設置にし通年の薄暮開催と原則1日12Rでの開催を実現に成功。夏の時期には熱中症対策として開催時間を1時間後ろに遅らせて19時半頃に最終レースを行うといった取り組みも行われる。

周辺の住宅街への迷惑にならないよう設置された照明施設には斜光板を取り付けて光が外部に漏れない工夫もなされている(1枚目の写真のゴール前にある高い柱がのような物が照明)

将来的にはナイター開催を目論んでいるという噂もあるが周辺住民の了承を得て現状からの脱却に1歩ずつではあるが成功したということを知ってもらえれば幸いである。

コース特徴

画像 楽天競馬

浦和競馬場は左回りの1周1200m、4コーナーを抜け出してから最後の直線が220mと非常に短く主に開催される条件は800m、1400m、1500m、2000mの4つ+ごく稀に1300mの5つとなっている。

1600mは重賞レースであるニューイヤーカップ、浦和桜花賞でも使用されていたがスタートがカーブの入口にあることで極端な内枠有利、外枠不利とされる条件が不公平であると問題視され現在はそれぞれ1500mに変更されており平場レースの回数も激減。

1900mは重賞レース埼玉栄冠賞でしか使われることが無いことから「年に一度のレア条件」とも称されていたが2021年より現在の2000mに変更となって以降は使われることが無くなった。

2024年からJpn1に昇格した今後の浦和競馬場最大のレースとなっていくさきたま杯でも使用される1400mはスタートしてから最初のコーナーまでにどの馬も良い位置を取ろうとハイペースなレースが展開されやすく基本は内枠有利、外枠不利とされている

ただし最内枠の馬は一気に押し寄せてくる馬に怯んでしまい後退をしたりレース中も外からプレッシャーをかけられながら走らせることが良い方法には出ないことも・・・。

逆に外枠の馬はデータとしては不利とされるがスタートを決めてしまえばそこから絞るように一気に良い位置をストレスをかけることなく取れれば騎手の描いた競馬に持ち込みやすいという特徴もある(ボートレースで6枠の選手が完璧なスタートを決めて大捲りを決めるようなイメージ

直線が短い競馬のため3コーナー手前辺りから後ろを突き離すような競馬、もしくは外から捲るように先頭集団を飲み込む馬が台頭しやすく前がハイペースとなり最後の直線で潰れてしまう、後ろから来る馬の脚質が他と極端に違うような条件が付かない限りは差し、追い込み馬の大半は馬券内の争いすら出来ないままレースを終えることが多い。

馬の状態の良し悪し以外で狙う馬を決めるのであれば

①川崎、大井、船橋より遠征をしてきた馬(特に船橋所属馬がオススメ)

②過去の浦和のレースで後方から押し上げて好走した競馬で実績がある

③内枠での実績が乏しく外枠での好走例が多い

といったところを見極めると馬券的中に大きく近づくことが出来る。

オススメグルメ

さて浦和競馬場のグルメをここからは紹介。

浦和競馬場の飲食スポットは主に2つの場所が存在している。

1つ目が2号スタンドの里見食堂。

ここでは浦和競馬場の名物である「黄色いカレー」を食べることが出来る。黄色いカレーというのはカレー粉と小麦粉を中心に作る昔ながらのカレーらしく甘めの味付けであるのが特徴。

日本一有名な黄色いカレーである新潟バスセンターの「万代そば」の物が有名だがここ浦和競馬場でも名物として長年に渡り君臨している。

なおこの撮影をしに行ったのは2024年2月23日(金)の祝日だったが昼時は20分待ちになるほどの大人気だったことから来場者が多い日は早い時間での食事がオススメ。

2つ目がパドック横に並ぶ飲食ブース「優駿」

ここは昭和生まれではない私でも「昭和か!」と思ってしまうほど昔懐かしい佇まいのお店で焼き鳥、チキンカツ、もつ煮、焼き鳥などいわゆる「ギャンブル飯」を思う存分に楽しむことが出来る。

この日は最高気温5度、みぞれ降る中での観戦ということで煮込み丼(700円)を注文。

マグロ丼、焼き鳥丼、煮込み丼は1日20食限定となっている。

浦和競馬名物の1つであるマグロカツ(170円)と鴨メンチ(200円)

こちらも1日限定150個と限定されておりマグロカツは季節によっては販売されていないこともあるので注意。

焼き鳥は常に焼き立ての商品を1本150円~200円で提供。

定番のモモ、皮、つくねといった商品から豚レバー、やげん軟骨のような好き嫌いは分かれる商品までを用意。

今回はねぎま(200円)、レバー(150円)を購入。

※全部タレで通されたが後日の平場開催に足を運んだ際にはタレか塩か聞かれたので混んでたことも影響していたのかもしれない?

平日の昼間から優駿の目の前に設置されているモニターで競馬を観つつ酒盛りを楽しんでいる人の姿も多く見られるのは南関東4場の中でも特に異質な空間で浦和競馬場は昭和の空気を感じさせる一つの理由なのだろう。

この他にも冒頭で紹介したようなキッチンカーの出店も近年は増加しており埼玉県の名産、B級グルメなどが日替わりで販売されているので来場した際には一度チェックをするのも忘れずに。

スタンド

浦和競馬場は現在2つのスタンドで競馬を観戦することが出来る。

まず上の画像が3号スタンドでこちらは1階~3階までが自由席となっており4階は指定席として販売が行われている。あくまで個人的な感想だがこの後に紹介する2号スタンドのリニューアル後は長年の浦和競馬ファンがこちらの建物に集いあれやこれや盛り上がっているという印象がある(つまり古びているということなのだが・・・)

そして下の画像が2019年よりリニューアル工事完了した2号スタンド。こちらは1階席が自由席となっており2~3階が指定席として販売されている。横にも縦にも広い3号スタンドに比べるとコンパクトな設計となっているが設備が全体的に新しく使いやすい。

2号スタンドが工事中だった頃に初めて浦和へ行った際は綺麗なトイレが無いという理由だけで来場1時間で帰宅をした思い出がある私としては今ではそういう苦労もしなくなったのが何よりありがたい話である。

1号スタンドは2009年に老朽化によって解体され現在はゴールの写真判定などを行う事務施設の建物が作り直され利用されている。

この指定席の販売は正面入り口や場内にて行われているので利用する際はお早めに。

まとめ

昔懐かしい雰囲気を残しつつも最近は若い人の来場も増え始め平日の薄暮開催ながらも盛り上がる浦和競馬場。

同じ南関東競馬の代名詞である大井競馬場と比べるとその華やかさや盛り上がりは劣ってしまうかもしれないが、この競馬場に来る人たちが持つ「競馬が好き」という気持ちは決して負けておらず年齢層の高い人たちの憩いの場としての役割も同時に担っているのだなぁと来場をする度に私は感じている。

住宅街の中に溶け込む昔懐かしい空気を感じることが出来る浦和競馬場へ是非これを呼んだ人たちが一度来場をして貰えたら浦和ファンの私としても嬉しい限りである。

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